うしろのこの本ください

なんでもかきます

Detroit: Become Human にハッピーもバッドも存在しない理由と、ブレードランナーの焼き直しなのかという話

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TL;DR

・安直な焼き直しじゃない。かと言って全く違う事を言っているわけでもない。

・今だからこそリアルに伝わるようになった表現。

・ゲームの感想:しゅごいぃ……おもしろ……あっ6時回ってる……

・ハッピーかどうかはお前が決めろ

・軽いネタバレあるかも、気を付けてはいます。

1週目終わった感想

Detroit: Become Human1週目をやり終えた。L2R2や3D酔いと戦いながらなんとかEDまで漕ぎつけた…最近のゲームは妙にリアルな世界観にセンセーショナルなカメラワークが合わさって三半規管が滅茶苦茶ですわ…。

一周すれば大方のマルチエンディングへの展開が想像できる点や、ユーザーの体験に寄り添って主人公格のキャラクターが造られていく様は流石Quantic Dreamだなと。今作は自身の行動によって他者の信頼度が上下するシステムになっており、うまい事調整すればロックされた選択肢が解放され、うまい事行ったり死を避けられたりストーリーを思った方向へ進めたりできる。

もちろん制限時間には度々追われることになるので、着々と積み上げてきたシナリオと自身のその場の感情が相反した時に選択をミスったりしてあちゃーってなることもしばしば。それも醍醐味である。

気になる点を挙げるとすればこれ

重要な場面であればあるほどこの「解放されたUI」の持つ予定外の説得力は、これまでプレイヤーが作り上げてきたDetroitの世界に水を差し、ゴールをブレさせる要因になっていた。

実際自分もとある大事な選択を迫られた時、これまで統一された行動を意識してきた主人公の一人を殺す方に動かしてしまった。これに対処するには事前に選択肢として何を迫られるのか知らなきゃならない。

まあね、チャプター方式だし何度もプレイする事が前提の作りなのかもしれないんだけどさ。監督のデヴィッド・ケイジが言うようにとんでもなく長いシナリオなんで気に入ったものだけ見てコントローラーを置きたいユーザーは沢山いるだろうと思う。(一般映画のシナリオ100に対し4000程の量らしい)

それ以外は特に文句もなく(3D酔いに耐え切って)、1週後はアートワークやギャラリーで女体を買い漁って眺めたりして楽しんでいる。んで2週目入る前にこのゲームから何を感じ取ればいいのか考えて見たかった。

来たるAI時代、「必ず訪れる課題への不変的な言及」の焼き直し

だと思った。このゲーム時代設定が今から20年後と妙にリアルだし、まあ初期モデルが2020年とか現実じゃありそうもないんだけど、往年の名作であり、同じテーマを扱ったブレードランナーターミネーターとは少し違う印象を受けた。なんたって都市やら人物の姿形が完全にイマドキなんだもん。現実世界のデトロイトが舞台なだけあって、木造住宅が普通にあったり電線に靴がひっかかってたりとんでもない未来感要素はかなり薄かったりする。

逆にアンドロイド同士がシームレスに決済を行ってるし、工事現場、掃除みたいな労働を全部担ってるし、声で家電操作が当たり前になってるしドローンがファンをブンブンしながら飛んでるしであー!ありそー!な未来感に溢れている。

つまりまさに今、我々の生活に突然人型アンドロイド「種族」がやってきたら、という世界。量子コンピュータ開発が成功してブレイクスルーの起きた20XX年代のIFストーリーだと言えるかも。人工知能がより身近な存在になった今だからこそつき進む前にもう一度皆で考えてくれ、って事だろう。(アンドロイドの皮膚形成とかタッチハッキングとかはだいぶ未来にかっとんでると思うけど)

過去に数多のアンドロイド系作品で言及されてきた問題は、現代になっても解決されていない。つい最近も悪人と子供どっちを轢く的な責任能力問題が結構なバズワードになってた。まさかうちのおかんからその話を振られるとは思ってなかったけども。

有史以来上位存在に支配されたことのない人類は、それを完全に模倣し感情を持ったもう一つの人類とはたしてどうあるべきか。

未だ解決しそうにない問題を急激に進化しつつある現代社会とミックスする事で、テーマ自体をリフレッシュ、焼き直しをした。

例えば主人公の一人であるコナーは、アンドロイドとしては初めて「捜査」任務に就いた存在だが、それはアンドロイドが世に生まれてから更に18年程先の話だった。アンドロイドに複雑な感情の整理を行う尋問だったり交渉だったりをさせるのは、人々が18年の間で完全にアンドロイドを制御化に置けると確信したからなんだろうか。

完全にモノであり喋るプラスチックに過ぎないPCと変わりのない存在のアンドロイドを、自身の意志で行動させて、次の進化が起きる事を望んていたのかもしれない。

でもあのババアは常に顔が怒ってるしこっちが正直に喋ってるのにかけらも感情を見せないしで割と嫌いです。おめーがアンドロイドだろ。

個人的な意見を述べるなら「機関車は世界を変えたが、時間をそれより前に戻したいか?」という問いとアンドロイドを生み出すことによる問題とは絶対イコールじゃないだろ!ってのは自信をもって言える。アンドロイドが人類を超越する能力を持とうが持つまいが、重要なのはそれが生命なら支配すべきかしないべきか決めなければならないという点ただ一つだと。

人類がもう一つの人類を生み出すという事は、同時に支配権を捨てる事と同義だとも言えるかもね。支配するつもりなら文明2つ分の責任を背負うことになって人間には重すぎるかと。

どのルートがハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか、誰にも分からないのがこのゲームの最大の魅力だと思う。どれをハッピーとするかはプレイヤーの考え次第、ひいては人類が解決できていない問題そのものなので。

ゲーム内のキャラクターがそれにどう応えるかは2週目以降で見届けるつもりだけど、やっぱ三半規管がね…これ周回プレイは中々…。

おわり

一個人の感想。特にこれ系のゲームは感情と倫理観がぶつかり合うはずなので、ぜひ自身でプレイしてみることを進める。凄い作品には違いない。

では